らしゃめん马车 - 鰐渊晴子.mp3
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[00:00.58]空蝉(うつせみ)の時の流れでございます。[00:04.91]私が御一新後の借財(しゃくざい)、山のように積もりたる吾(わ)が家(や)から、[00:12.47]銀一升とひきかえに、西洋館(せいようやかた)へ奉公に上ることになりました朝……、[00:20.64]あの方は自害の末、黄泉(よみ)の国へ行かれましてございます。[00:27.68]父上の背はますますやせてとがり、母上の目は泣きはらしてふさがってございます。[00:36.89]空蝉の時の流れのまにまに、私は漂(ただよ)って参(まい)ります。[00:45.10]父上、母上、弟よ、妹よ……、これにて、貧(ひん)と飢(う)えには別れて下さいませ。[00:59.34]春の花に 死んだ魂は似合わない[01:09.91]春の花に 売られた心はそぐわない[01:21.49]女ひとりがすねてみたって[01:32.92]時代がよくなる訳ではないから[01:36.42]何んにも語らず[01:38.40]迎えの馬車にのるがいい[01:44.75]らしゃめん馬車は 花模様[01:51.20]あ、あ、……花模様[02:18.59]馬車にひとり 滅(ほろ)びの旅への急ぎ足[02:29.38]春の日射し この世の見收(みおさ)めひな祭り[02:40.75]さだめ恨んで泣くのもいいが[02:52.38]泪はとっくにからから乾いて[02:56.57]私は行きます[02:58.84]花嫁衣裳で参ります[03:04.75]らしゃめん馬車は 花曇り[03:10.82]あ、あ、……花曇り
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